湯ノ湖屋を起点に東に伸びる尾根を詰めて、ジャンクションピーク1962からトラバースして笠ヶ岳小笠、悪沢岳、小至仏山と巻いていき、至仏山にたどり着きました。厳冬は終了し、パウダーは残っていませんでした。

林道をしばらく歩き、帰りにショートカットが可能であることを見極めます。

クトーを装着して稜線に突き上げますが、この稜線、細くて起伏もありマニア向け。こんなところ誰も来ないだろうと思ったら、微かにトレースがあり驚く。どこへ行くとレースだったのだろうか、いつの間にかトレースは消えていました。

谷川岳のモルゲンロートが始まり気分も上がる。

 以前、武尊を周回したとき、尾瀬の方面へ向かう車の混雑ぶりを目の当たりにしました。尾瀬沼はハイキングシーズンには大変な混雑が予想されるので、静かな至仏山や燧ケ岳に行くなら晩秋~春が狙い目。

 なんせこの山域は積雪状況もよく分かってないので、積雪状況の偵察を兼ねて山スキーで至仏山をやってみます。私の場合は山歩きに重きを置いているので稜線歩きのルートを計画しました。あと温泉も計画の一部に最近なっています。関越のみなかみインターで降りて湯ノ小屋温泉まで。

 冬季閉鎖ゲート手前のスペースに駐車。粉雪がちらちら降る中スタート。積雪は1mほどあろうか。

 雪質は中間層まで圧雪された感じで最中雪にはならなさそう。どちらかというと最中雪よりストップスノーが心配なほど晴天の予報です。

標高1700m付近から上部の緩傾斜部で太陽の光を浴びる。素敵な森の中で朝を迎えました。ここはワンダーランドですか?

アイスモンスターと樹林帯が美しく心が洗われます。

セルフタイマーで撮ってみましたが、レンズに水滴。

走り回るうさぎのお尻が可愛かったです。あれ、白くないのは、もう春に衣替えしたの?なんて出会いも。

中央の木の後ろに見えるのが至仏山。まだまだ遠い。ワクワク

笠ヶ岳をうまく巻き、小笠の巻きに入ると、悪沢岳の山容が目に入ってきます。

悪沢岳は右手の山。南斜面の上部は切れ落ちていて、ピーク付近のトラバースは難しいと見る。割り切って小笠の暗部で標高を落としました。登り返しのシール歩行区間が出来てしまいますが仕方ありません。ここから至仏山(一番奥)までトラバースラインを引いて行きます。

二頭身モンスター

振り返れば武尊がどっしり構えている

笠ヶ岳、小笠が遠くに見える よく歩いてきました

トラバースラインはギリギリ滑る勾配を意識して引いて行く(カメラの水平がおかしいのはご愛嬌)

ジャンクションピークからひたすら巻きが続いていて、ゴールが見えてなかったのですが、悪沢岳を回り込んだところで小至仏山と至仏山本峰の姿を間近で確認現します。ついにここまできました、あと少し、さぁ待ってなさい。

 小至仏山から至仏山のトラバースに入ると先行者のトレースあり。3名がトラバースしているのが遠方に見えました。

 自分は往復ルートなのでこのトラバースラインでは登り返しになると判断し、自分のラインを引いていきました。

 小至仏山の暗部で先行者に追いつき情報交換。戸倉方面から来たようです。最短距離で登るなら戸倉から林道を歩いて津奈木橋を渡ってから取り付くのがベストだそうです。そしてムジナ沢(北面)を滑るようです。至仏山は環境保護の関係で春は期間限定でしか登れないと教わりました。戸倉からバスが出ており、バックカントリーで賑わうらとか。

 ゲートが開いてバスが来るまでが静かな山を楽しむチャンスということでした。なるほど、いろいろな計画ができそうでワクワクします。ゲートオープン前にもう一仕事あるか?なんて思ったり。

 地元の方の情報は大変参考になります。ありがとうございます。

小至仏山の暗部から本峰までは氷化気味でカリカリ斜面でしたがクトーで難なく行けました。長い道のりでした。ようやく山頂に立ちました。無風でムフフです。

まず目に入るのは燧ケ岳。ぜひ登りたいと思わせる存在感。尾瀬沼は真っ白だけれど、川は埋まっていませんでした。

谷川と越後の山々!も真っ白でうっとりする美しさ。

右のなだらかで真っ白な山から、平ケ岳、越後駒、、、、

北アルプスも見えますね〜

振り返れば尊岳(酷暑登山)が。その後ろは榛名山(ヒルクライム&登山)だな〜?

どれも思い出深いドラマがありました。今日の至仏も忘れない思い出になるんだろうなぁ。

先行パーティのメンバーの1人も私と同様に初めての登頂らしくえらく感動していました。

お互いの写真を取り合ったら、先行者に挨拶をして、シールをはがして帰りを急ぎます。

燧ヶ岳と

平ヶ岳を目に焼き付けて、さぁ帰ろう!

ピークからの滑降開始。ほとんどトラバースなので、シュプールは一直線で写真になりません。

登り返しの暗部まで来ると日照りの影響でストップスノーに。ここからが苦闘で、シールは下駄になり、登り返し終了して再び滑降モードに入るけれどスキー滑走面も下駄になるという始末。何度もスクレーパーで氷をはぎ落す。ワンダーランドは景色はいいけれど雪は滑らないのでただの緩斜面に思えてくる。もうすこし斜度を下さいなんて、、、贅沢はいいますまい。

シールにも板にもワックス塗らないと。

頑張って細尾根にたどり着くと、日陰になっていて助かりました。一気に滑り込み標高を落としていきます。本日最高の雪質はなんと、林道!一日中日陰だったようで、板が走る走る。もう最高。スキーは滑ってなんぼってね。

車の場所まで一気にショートカットして無事帰還。いい旅でした。ありがとうございました。

 下山後は定番の温泉へ。宝川温泉へ行ってみる。写真は公式HPより借用。

 ここは露天風呂が有名で一度は行ってみたいと思って訪ねてみると、1500円。おっと。露天風呂はバスタオル着用義務で、混浴で混雑中と来た。げんなり。露天風呂に入りにきたのに、内湯だけでも入らせてもらいます!内湯は空いていてラッキー。おぉ〜気持ちい〜。体を洗って、シャワーでアイシングと入浴を2サイクル。最高。休憩施設でごろ寝できたのは良かったです。

 露天風呂から帰ってきたオジサンたちは、水温がぬるい、混雑、バスタオル着用というのは、温泉に入った気にならないと口々に言っていました。

 でもやっぱり平日とかにゆっくり入るといいんだろうなぁ~。またの機会にとっておきます。

 川にある温泉といえば、尻熱温泉にも行ってみたい。所謂、野湯です。これもまた別の機会に行ってみたい温泉の一つです。

帰りの関越道の渋滞は、最初は55分の渋滞であったものが、事故と自然渋滞が組み合わさって90kmの渋滞まで発展。パーキングでご飯でも食べようかと思ったが皆考えることは同じで満席。勘弁してください。北関東自動車道から迂回して渋滞回避しました。

眠気覚ましに福山雅治のダブルアンコールをぶっかけながら、時には熱唱しながら、なんとか帰宅。最高に疲れました。