旭小屋の手前の駐車スペースに車を止めて、川場尾根への林道を進む。登山口はちょっと分かり難かった。

 この尾根、地形図を見る限り、一番自然が残っていそうな地形である。というのも、周りはスキー場だらけだが、この南の尾根だけは何も手付かずで綺麗に尾根が伸びている。歩いて見るとやっぱりというか、逆に笹が繁茂していて歩き難い箇所も結構あった。自転車で力を使った影響で、足は重く急勾配では歩みがかなり遅い。ようやく展望がひらけたと思ったら今度は岩場に突入した。バリエーションルートかよ、と思ってしまうくらい険しい。地肌を露出して歩くような所ではないのは明白だ。巻けそうな岩も敢えて突破するような登山道だった。ここ、下調べしてないから知らなかったが、市販の地図では点線ルートであった。

 なんとか前武尊に辿り着いたが、目指す武尊(沖武尊)は遥か彼方に見える。途中で引き返そうかと何度も考えた。水も少ない。水場は無いか?あった。笹清水のなのごとく、笹藪からチョロチョロだが湧き水があった。手ですくって何とか飲んだ。冷たくてうまい!生き返った。もう足が上がらないが、なんとかピークを踏んだ。

 感無量。加藤文太郎の真似をして頂上で万歳三唱した。絶景だった。先日登った赤城山が近い!しかしゆっくり山座同定する暇もなく、踵を返す。

 日が暮れる前に下山しないといけない。今日は楽勝登山と思っていたからヘッドライトは持っていない。追われるようにして帰りを急いだ。途中で野営場へ抜けるルートがあったので、沢まで駆け降りた。この沢、伏流しているのか水が一滴もない。じゃぶじゃぶ飲んでやろうと思っていたのに、一滴も水がないなんて。我慢できずボトルを飲み干した。これで水はゼロ。野営場まで行けば水あるだろう、と思ったが無かった。

 林道を走ったり歩いたりして、なんとか日が暮れる前に旭小屋に戻った。そして沢で水浴びした。疲れた身体に最高のご褒美だった。キンキンに冷たくて最高でした。苦行のような一日はこのためにあったのかもしれないと思うくらい気持ちがよかった。

 

「出発点から終着点まで、一人の登山者にもで会わなぬ静かな山行であった。」

帰って「日本百名山」 39.武尊山を読んでいると、このように締めくくられていた。奇しくも今回の山行では誰一人にも合わなかった。

登山口までちょっと怪しい林道を進む

川場尾根スタート

ちょっと笹が茂っているところもあった。

信仰登山の形跡があった

岩のスキマが道になっていた

岩っぽくなってきます

手前が前武尊、左のなだらかなピークが武尊山(沖武尊)

嫌な鎖場 鎖を使わないと結構危険です 

こんなところ通る必要あんの?ってくらい岩に張り付いて行きます。

日本武尊(やまとたけるのみこと)を現しているいるのだとか 目線は赤城山方面だった

全然近づいてこない ガクガク!

前武尊を見下ろす

やっと近づいてきたがまだ遠い

三つの池がある。山頂付近なのに湧き水があるのだろうか

武尊山のちょと手前で日本武尊がまた赤城山方面を見ていた

感無量 日本百名山 武尊山 P2158.3m

至仏山や燧ケ岳方面と思われる

谷川岳方面と思われる

記念写真(こんな格好で来たらダメです)

三角点

登って来た尾根

南西の尾根

川場谷・・・なんか滑れそうだな・・・

赤城山を望む

御嶽大明神

楽しませてもらいました ありがとうございました