海抜0mから自転車でスタートし、登山口(折立)から登山をするという企画である。自転車と登山のコラボレーションで、完全に自力で薬師岳を登るのだ。

 今回は、単独で挑戦した。いつも回りに助けられっぱなしだったので、総合力を試すいい機会となるだろうと思い気合いは十分だった。


0:00 自宅出発、常願寺川河口まで車で移動。

1:15 常願寺川河口にある水橋の漁港付近の公園駐車場。

1:34(EL.0m) 海抜0mスタート。

2:24〜 2:32 立山町の最後のコンビニ(セブンイレブン)。ハイドレーションにドリンク注入。

2:59 料金ゲート。ここから本格的にヒルクライム。

3:49〜4:11 パンクトラブル。チューブ交換。

4:47〜5:07(EL.1356m) 折立。自転車デポし、登山開始

7:10 太郎山(山小屋)

8:23 薬師山荘

8:47(EL.2926m)薬師岳ピーク


9:09 下山開始

10:07 太郎山(山小屋)

11:53 折立帰還。

12:30 ダウンヒル。

14:21(EL.0m)海抜0mゴール。

 折立ではもう明るくなっていた。ここでは水が補給できるようだ。自動販売機もあった。自転車に鍵を掛けて、登山スタート。最初の登りが意外とキツイ。1時間ほど登れば、劔岳が拝めた。素晴らしい。

 まず、Yasuhiro先生にお礼を言わなければならない。本当に助かりました。ありがとうございました。

(感謝の理由については後述)

 標高2000m付近から、登山道が奇麗に整備されていて、快調に進める。勾配が緩いところはランニングできる。

 白山も見え、テンションも上がる。料金所ゲートが6:00に開門するので、この時間に登っている人はほとんどいない。驚くほど静かで、とても気持ちいい。聞こえるのは鳥のさえずりだけ。癒される。

 木道は非常に歩き易い。なんか太郎っぽいな〜太郎山も近いだろう?と思ってランニングするが、意外と太郎山は遠い。

このあたりから残雪が見え始め、素晴らしい景色になってきた。いいじゃんいいじゃん。

 太郎平小屋にはスタッフが在中していた。営業しているかは微妙だった。

 太郎でまんじゅうを食べた。登山食はエナジーバーとか、ジェルもいいが、和菓子がうまいと思う。ここまでは順調だ。ハイドレーションは水分を効率よく補給でき、ザックを下ろさずに歩き続けることができた。

 太郎を過ぎて進んで行くと、薬師岳が目の前に洗われる。どっしりとかつ優美な姿が美しい。さぁまってなさい。

 太郎平からは雪の上を歩くこともあるが、ステップが出来ているため全く問題ない。

 薬師山荘付近には、ハクサンイチゲやハクサンシャクナゲを見ることが出来た。イイネ〜〜。

 ここで一泊して登ったという先行者とすれ違った。前に一人いるらしい。追いつくしかない。

 海も見える。あそこから来たんです。素晴らしい充実感と達成感。やった〜〜〜!!

 立山、劔岳、後立、槍ヶ岳や穂高連峰も見える。素晴らしい。折立から約4時間で登れた。

 ピークが見えた。先行者はもうピークに立っている。やられた〜。せめてピークで顔を合わせたい。稜線はダッシュ。風が冷たくて気持ちよい。なんとかピークでピックアップできた。1:30に折立を出たとか。ボクは同じ時間に海抜0mを・・・

 それにしても、この静寂には感動を覚えるほどだ。最高です。

 下山はランニングできるところは、ランニング。雪の上を走るのはとても面白かった。下山はスピードは上がる。

淡々と進み、太郎まできた。太郎でストレッチとエネルギー補給をして速攻スタートした。下山は3時間で攻略できた。


 さぁ、あとは自転車で海まで行くだけだ!!!よっしゃーーー!!!

と、思いきや。大事件発生。パンクしている。しかもタイヤに亀裂あり。

 なんてこった。もうチューブの控えはない。お先真っ暗です。どうする、海まで48kmありますけど。

こんな日に限って、タイヤパッチを持ってきていないから自分は馬鹿だ。考えられるあらゆるトラブルを想定してバックアップするのが総合力というものだ。

そのとき、なんと。神の様な助っ人が登場した。


Yasuhiro先生!!!

爽やか過ぎる登場だった。何たる偶然か。先生はドクターライダーとしてアルペンルートヒルクライムをしてきたばかりで疲れているはずなのに。なぜ、ここにいるの。神様。


「先生、ボク、チューブもう無いんです。」というボクの懇願に快く先生のチューブを貸してくれた。スーパーヒーロー!!

ありがとうございます。感謝しきれません。

 テーピングでなんとかタイヤの応急処置をして、なんとか走れる状態になった。助かった。感謝である。

 結局自力だけではなにもできない自分に深く反省。先生が偶然にも来て下さらなかったと思うと、果たしてどうなっていたのか。恐ろしい。

 総合力はまだまだ未熟としかいいようがない。どれだけ体力があってもだめ。勉強になりました。

 普通じゃあり得ない助力に救われ、なんとか薬師岳完全登山、達成することが出来ました。

 海抜0mをスタート。月灯りで薄明るい。スタートからじわじわ登りで、スピードが出ないが、車通りは少なくスムーズに進めた。立山町のセブンイレブンでハイドレーションにドリンクを2リットル補給した。初ハイドレーションだ。ワクワクである。

 ここからは勾配も出ててきてヒルクライムの始まりだ。暗闇の中黙々と登る。料金所は無人なのでスルー。なかなかキツいヒルクライムだ。トンネルは真っ暗で気味悪かった。ようやく有峰ダムのライトの光が見えてきたところで、パンクトラブル。なんんでやねん。

 暗闇の中、予備のチューブに交換したが、そのチューブはバルブの弁が壊れているのか、空気が入らない。なんでやねん。予備は2本あるので、最後の1本だが仕方なく交換した。今度は大丈夫だ。

 気を取り直して、ヒルクライム再スタート。空が赤く染まってきた。時間掛かり過ぎだな。

 海から立山方面は雲に覆われ見ることは出来なかった。晴れている間にピークを踏めたという意味ではラッキーだった。

 

 タイヤの亀裂はもう限界で、パンク寸前、ギリギリだった。