知床峠に向かって車を走らせると、羅臼岳が次第に近づいてきていよいよモチベーションが上がります。知床峠では目と鼻の先に羅臼岳が見える位置でした。しかしここから登山道はありません。ビジターセンターまで下り坂なのが残念(標高700mも落とすことになる)。

 ビジターセンターから登山開始です。先輩に日焼け止めを貸していただきました。北海道は予想に反して気温が高くもう暑くてペースが上がりません。とにかく暑くて苦行のようで、ただ無言で足を進めるだけ。私は脱水症状一歩手前になり、岩壁の下の水平移動区間では思わず座り込んでしまいました。先輩は流石まだ余裕があるようで、塩分チャージのラムネをくれました。水分補給、エネルギー補給をして再スタートしました。

 2時間近く歩いて初めて登山者と出会いました。その登山者は、羆への警戒のため奇声をあげながら歩いてきました。どうやら羆の目撃情報があり、注意した方が良いとのこと。大きな排泄物もありかなりリアリティがあります。一方でちょっとでいいから遠くから見て見たいという気持ちもありました。怖いもの知らず。

 暑さで集中力も切れかかっていたときに、小さな沢があったので身体を冷やしました。この沢には助けられました。エキノコックスの関係で北海道の山水は飲めないというのが非常に残念です。飲みたい。羅臼に限ってはこの水は飲めるのではないか、少しくらい大丈夫じゃないか??何回も何回も考えましたが結局思い止まりました。肝臓がやられたら困ります。

 本流の沢(清水沢)に到達すると涼しく快適登山でした。水浴びには良さそうだったので、水を頭からかけてみると、、、く、臭い!温泉成分が濃いのか、硫黄成分と鉄分を合わせた匂いがキツイ水でした。これがもしお湯なら、「なんていい温泉だ~」などと言って入浴したこと間違いなし。

 しばらく進むとその沢は川底が真っ白になり、マグマのように煮えたぎった温泉!にしか見えませんが、実際は冷たく、入浴には至りませんでした。

 屏風岩からは急登で景色がなかなか変わらず非常に長く感じました。羅臼平の上部に出るとハイマツの緑に覆われた羅臼平と山並みが非常に美しかったです。

 岩清水は流石に飲んでもいいでしょ?と思いきや、一滴ずつポタポタ落ちてくる程度なので口を開けて待っていても全然水が落ちてこないし、当然喉は潤いませんでした。北海道の山は涼しいと思って水を少なめに持ってきたのだ仇となりました。山水が飲めないというのも大きいです。反省。

 最後のアタックで標高差200mの岩場を登るとようやく山頂でした!山頂に立つとオホーツク海側や摩周湖方面の展望が開けて感動的でした。南側は雲海、北側は水平線!!本当に素晴らしい景色でした。深田久弥に見せてあげたい。夕日が沈むまで景色を眺めていたいくらいでした。

 しかし日がくれるのでぼちぼち下山開始です。ザレ場を回避してお花畑経由で行こう。分岐点ではテントが2張り。羨ましいです。こんな静かなところでテントを張って水平線に沈む夕日を眺め、夜は星空を、朝は水平線から日の出を拝んでみたい。あぁ。羨ましい。

 下りは急ぎ足で進みましたが、途中で日が暮れて40分ほどヘッドライトで歩きました。日が暮れることは当初の計画通りなので慌てることはありませんでしたが、暗いと怖いです。羆さんは絶対に出てこないでね。Y先輩がMihimaruGTの音楽を聞きたいというものだから、熊対策に音楽を聴きながら歩きました。

 キャンプ場のライトが見えました。無事にビジターセンター帰還できました。ありがとうございました!!


<熊の湯編>

ビジターセンターから車を移動させて「熊の湯」へ移動。是非とも入りたかった温泉です。

24時間無料解放

・地元の方に管理されている

・源泉掛け流し

・白濁した温泉

洗い場は浴槽の周りのコンクリート部分でどうぞ。

 ちょうど私たちが入浴するときに出てきた方は、「めちゃくちゃ熱いけど最高ですよ」と言っていたので覚悟しました。ちょうど地元の方が入浴中で温度調整してくれていたので適温でした。

 羅臼岳の泊場付近の温泉沢の水と似た香りで、硫黄成分と鉄分を合わせたような香りの湯でした。

 私達はは石鹸も何も持っていないのでタオルでゴシゴシ体を洗っただけでしたが、シャンプー等の雑排水がそのまま川に流れているのを見ると何とも言えなくなります。過疎地なので環境への負荷は少ないのかもしれないけれど、利用者が増えるとそうも言えなくなってきます。野湯の宿命でもありますが。

 それにしても最高の温泉でした。ありがとうございました。

知床峠からの羅臼岳 非常に近くに見えるがここから登山道はない

非常に気持ちのいいトレイル・・・しかし暑い

ハイマツ原 標高400mほど。この標高でハイマツですか。

ため息が出るほど綺麗な森 足が止まる

スズラン峠までは水平移動ですが、非常に長く感じました

清水沢に合流する

見るからに温泉である

稜線が見える!モチベーションも上がり、さらにこの辺から涼しくなり回復しました!

こんな景色見たことな〜い!

屏風岩

急登の始まり

このザレ場は難儀した

リス

羅臼平と三峰

山頂直下には高山植物もありました

最後の一息

やりました!!羅臼岳(P1661m)ゲットです!!最高。

圧巻!三峰〜硫黄山までの魅惑の稜線  スパーンっと走って縦走してみたい

国後島の山々も立派である。登れるようになる時代が訪れることを願う

利尻島やその遥か遠くに阿寒岳も見える

海に太陽の光が反射している。何という絶景。何という贅沢。

それぞれカッコイイポーズをとって見る

Y先輩撮影 全てに感謝感謝である。

こんな景色を見ながら駆け下りるなんて 幸せ者である

日本にはまだまだ面白い場所がたくさんあると思いました