冬にスキーを一回もせずには終われない。と思いながら時は過ぎていきついに2月。山に行ける日は限られているので量より質。直前まで天気予報を注視。新潟群馬の山域は湿り雪が断続的に続く予報でダメ。

 山スキーができそうで晴れそうな山域は近場では那須岳か。風は強いけれど雪は降らない予報。

 予備知識もなく下調べもあまりしてないので、多少の風なら問題なく速攻で行けると思っていましたが、現実は甘くありませんでした。条件が良ければ三本槍も周回しようと地図に線を描いて行きますが、北西から吹く風が猛烈で、茶臼岳の往復で精一杯でした。標高1600m以上は雪が付いておらずツボ足。山スキーは下部のアプローチに少し滑れた程度でした。

東北道の那須インターを降りて那須湯本方面に車を走らせると粉雪が舞ってきました。スキー場付近では積雪があり期待が膨らみます。大丸の駐車場に着くとスキーにシールを貼って、外に出しておきます。外に出た途端、風が凄まじく体温が一気に奪われます。最初から完全装備で歩き出すことにします。

すでにうっすら明るいのでヘッドライトは飾り。ラッセルもあってシール歩行が楽しいです。これこれ。

振り返れば朝日が赤く綺麗でした。

標高1600まで来ると雪がありません。山頂に近くなると雪が無いパターンで、これは風が強い典型です。シートラーゲンに切り替えてアイゼン歩行。ここからが苦闘でした。

小屋までの登山道では、風にあおられて耐風姿勢を何度も繰り返す。3度ほどひっくり返ります。これ以上はスキーを背負って歩くのは危険と判断。スキー板を岩陰にデポ。

この辺はスキーは一応できる そういうレベルの話

剣ヶ峰

小屋の外で風よけして、電熱線ゴーグル装着。さぁかかってきなさい。

茶臼岳のピークまではすぐそこ。北西の猛烈な風は20~30mはあろうかと思います。しばらくは追い風で背中を押されますが、ピーク付近までくると乱気流のような激しい風。耐風姿勢の時間がやたら長くて前に進みません。茶臼をなめてはいけないと思いました。

もうお願いですからピークを踏ませてください。

風邪の隙間にを狙ってようやくピークにたどり着きました。茶臼万歳!

なんとかセルフタイマーで証拠写真を撮影。100名山をまた一座ゲット。奥社にお参りしたら下山開始です。

御釜の向こう側

御釜の中

日の出山・南月山方面

朝日岳の向こうに三本槍岳が見えましたが、スキーはちょっと無理そう。日本百名山の那須岳のページにある写真ではスキーができそうなんだけどな~・・・

帰りも風に泣かされました。自然エネルギーはすごい。

スキーを回収して1550m地点から車までのわずかな区間をツリーラン。今回はスキーはほぼ荷物でした。

計画通りいかず苦労してピークをとる。厳冬期に味わうこの苦労、達成感、充実感は麻薬。

那須岳が風が強い理由を考えてみます。北西の風が日本海側から吹いてくると、新潟の阿賀野川沿いに抜けてきて那須岳付近がちょうど風の通り道となるのかも。この山が障害物となり、風が流れる断面は縮小し、風圧が上がり、猛烈な風になるのではないでしょうか。

GPV気象予報(今はSCW)で、風と気圧の表示にして見ると、那須岳付近だけ等圧線の間隔が非常に狭まり風速が強いことが分かります。

下山後は湯本の「那須温泉鹿の湯」へ。大衆浴場がマイブームであり、その中では、この温泉はかなり質が良かったです。

硫黄の香り4人くらいは入れる浴槽が6つ。温度が41、42、43、44、46、47℃に分かれています。

あったか~い、極楽でした。これで400円は素晴らしい。撮影NGでしたので壁に掛けてあった絵を撮影。


<注意点>

ドライヤーが無いので持ってくるのをおススメします。コンセントはありました。

また、体を石鹸で洗いたい人や休憩施設を利用したい人はおススメできません。座れる洗い場は無く、脱衣場しか有りませんので。湯巡り的な感覚でどうぞ。


今日も楽しませてもらいました。ありがとうございました。