庚申山から皇海山へ縦走するルートを選んだ。私は地理院地図を基にルートを選んでいる。日本百名山の文庫本も参考に情報を入れているが、こんな方法でルートを選ぶ人はどれくらいいるのだろうか。


 今回のルートもまたハードなものだった。当初は、いつものごとく楽観的に、赤城山ヒルクライムのついでに皇海山のピーク取ってこよう!なんて考えていたが、ついでなんて簡単なものではなかった。


 銀山平の駐車場からしばらく林道を進む。庚申山の登山口は沢沿いなのでとても涼しくて気持ちが良い。進むにつれ大岩が増えてきて信仰の山という感じが強くなってくる。分岐点でお山巡りの道を選んだ。これが試練の始まりだった。稜線に出るとアブがまとわりついてきて休憩が許されない。バッドレスをトラバースするように進む登山道は厄介だった。地図上は水平移動だがそうではない箇所が何度もあって、その度に右往左往して時間を使った。地図では想像できなかったが意外と難所だった(気持ち的に)。

 庚申山手前の樹林帯でも道迷い。ようやく庚申山に辿り着いたが、展望はきかない。少し進むと皇海山の展望があった。「まさかあれか」デカイ、そして遠い!!

 水を1リットルもってきたが足りないのが明白だった。節水・省エネモードで速足はやめてゆっくり歩くことにした。鋸山までは起伏があって、しかも笹薮が濃くて苦労した。鋸山はその名の通りギザギザの岩山で、鎖やロープ、ハシゴありの試練の連続だ。鞍部で気合を入れ直して登り返し。ようやく皇海山のピークに辿り着いた。展望はないが、とても嬉しかった。例のごとく誰もいないので万歳三唱した。


写真を撮ったら戻ろう。

庚申山までの稜線は気温も上がってきて、かなり辛い。燃料切れで手が痺れてきた。水分もエネルギーも切れるといよいよヤバイので、非常食のカロリーメイト食べた。そして少しごろ寝して回復した。アブに数箇所やられたのが悔しい。

 「こうしんさんはどこだーー!」発狂するような暑さに、デカイ声で一人で歩いていた。庚申山に着いた時はこれで助かったと思った。あとは一気に下るだけだ。ガンガン下っていくと雌鹿に遭遇した。相手は驚いて飛ぶように逃げていった。山荘への道は比較的歩きやすかった。とにかく水が飲みたい。そこに神秘的なオアシスが現れた。こんなの見たことない、感動した。頭から水浴びした。ガブガブ水を飲んだ。天の恵みだった。今日の辛いことは全て忘れるくらい最高に気持ちよかった。生き返った!神様ありがとうございます。



 ネットで情報を入れておけばもっと効率的にピークを取れるかもしれないが、最近はあえてあまり情報をいれずに、計画調和だけが全てではないと感じるようになった。綿密な計画もいいが、計画通り行かない山は、意外と後から記憶に残る山になる。その時はとんでもなく辛いけど、それを楽しんでいる自分もいたりする。それも山の楽しみ方の1つのような気もする。

というよりそもそも計画が適当だから、結果的にそうなっているだけだが。それと真夏の炎天下にここに来る奴はアホだろう。(もう真夏の稜線は結構ですというのが本音)


百名山(深田久弥)を引用すると、

”自分で道を見つけ、迷い、藪を漕ぎ、野しゃがみをし、ようやく山頂に達するという、本当の山登りの楽しさの味わえる山があった。”

”皇海山も訪う人の少ない山に数えられよう。”

”一気に下の沢まで落ちて要る姿は思わず脱帽したいほどの気品をそなえていた”


これを後から読んで笑ってしまった。必ずしも同じ条件でないにしても、今も昔も感じることは似ているなと思ったからだ。皇海山は面白い!

一の鳥居

水ノ面沢

快適な登山道

沢沿いの木陰は癒される

鏡岩

カエデの種子見つけた やったね

ナイス グリーンカーテン

なんでもない景色に癒され

不思議な岩に癒され

なんだかすごそうなお山巡り

とりあえず行ってみよう

トンボも暑いらしい

ワンゲル部の山荘

このようなものすごい岩が多数ありますよ

吊り橋やはしごも多数

行き止まりかと思ったら、奥に下に降りる道がありました

人工物が何もない ヤッホーーー

見るからに険しい

ものすごいパワーを感じた洞窟

君の名は。 コウシンソウかと思ってドキッとした

メガネ!

庚申の岩戸

日光白根の方向かな

まさか、あれですか。スカイさん!

笹をかき分けて

白山!?

近づいてくるがまだまだ遠い

男体山の方向か

トンボの乱舞

六林班峠との分岐

鋸山 苦労しました

ロックオン さあ待ってなさい スカイさん

最後の登り

皇海山の三角点!

記念写真

皇海山 標高2143.5m

コウシンさんがあんなに遠い

帰りは山荘の方へショートカット

一の門

オアシスが現れた 岩から草が生えていた

命の泉

沢は最高!!