この山行の概要は、白峰の風嵐ゲートをスタートし、ナナコバ山鞍部に登り、釈迦岳とシゲジの鞍部を抜けて湯の谷へ降りたのち、白山大汝峰に登り、楽々新道で下山というルートです。


 まっさんと白山に登る計画を練る。YSHR先生の白山周回ルートを参考にし、ナナコバ山から湯之谷へ抜けるルートを使い大汝峰に登る。積雪が豊富な時期に楽々新道を滑って見たい願望を組み合わせて、白山縦走を計画した。


 深夜23:00。ブナオ観察舎前のゲートに集合し1台の車をデポした。そして白峰へ向かう。

 0:00 白峰風嵐ゲート出発。しかしいきなりトラブル発生。まっさんのヘッドライトが発火した。まっさん真っ青。自分のヘッドライトの予備機を使うことにして解決した。ゴムが伸びていてすみません。

 白山公園線は重機が進んだキャタピラ跡があり、デブリが除雪されていて快適に進めた。百万貫岩を過ぎるとそれは終了していた。ラッセルはほとんどないので、大した苦もなく宮谷川の出合いに出た。手取川にかかる橋を渡って、しばらく宮谷川沿の林道を進む。尾根に取り付き地形図を見ながら標高を上げる。モナカ雪の嫌なラッセルに体力が奪われていく。

ナナコバ山の南面は細かい谷筋がいくつかあるが、等高線がゆるいところを狙って通過すれば問題なし。1300m付近からは素敵な樹林帯だった。星空が綺麗だった。

ナナコバ山の鞍部に出るとマイナス6度だった。雪は重いパウダーとなった。積雪期限定の尾根しばらく進み、1500m付近の棚のようになっている地形図をトラバース気味に入っていく。ここからはなだらかで歩きやすく素晴らしい森だった。夜が明けると白山が見えた。まだまだ遠い。これから向かう宮谷の源頭が目の前に見えるが、トラバースしているので見た目とは違って近くはなかった。甘くはない。

宮谷の源頭付近に入るとそこは天然ハーフパイプ。釈迦岳とシゲジの鞍部にでると真っ白な白山がドーンと見えた。残雪期には見れない白さだ。絶景でした。最高です!

湯の谷にはシールを付けたまま滑り降りた。しばらくは勾配は緩いが、大汝峰の直下まで来ると急勾配になった。まっすぐ大汝峰を登ろう。ジグを切って登っていく。右に別山、左に七倉山、素晴らしい。振り返るとまっさんは辛そう。山頂直下50mほどから氷になった。クトーでは歯が立たないのでアイゼン歩行に切り替えた。まっさんに先頭を譲る。さぁ山頂だ!!二人で握手をして讃えあった。

大汝峰からやっと御前峰を拝むことができた。360度の展望が素晴らしい。厳冬期並みの白い景色に感動した。気温はマイナス4度だが風が強くてかなり寒い。長居は無用、写真を撮ったら歩き出そう。しばらく氷化斜面をアイゼン歩行し鞍部から七倉山やまにシールで登り上げた。

 七倉山からの景色もまた最高です。さあ白山縦走開始だ!と勢いよく斜面を降りたいところだが、ここも氷化しており尾根をダイレクトに滑ることができない。東側のシュカブラを見つけ、これを利用してなんとか標高を落とす。2400mくらいでようやく氷は無くなった。しかし今度は重い雪となった。これは困った。清浄ケ原の神秘的な景色をしばらく見とれていたいが、勾配が緩すぎて滑らない!なので滑りもラッセルになってしまい、景色どころではない。まっさんは遅れ始めてきたが、ここは心を鬼にして、待たずにラッセル。トレースを伸ばさないと時間がいくらあっても足りないので、ノンストップで小桜ヒュッテの上部まで行った。小桜ヒュッテは雪で埋まっていた。広々とした平地が広がっているだけだった。

ここまでくれば一安心なので小休止。レッドブルで乾杯した。気合を入れて日が暮れる前に帰ろう。しばらく重パウダーを楽しむ。地形図には現れにくい小ピークはなんとか巻いていくが、その度に体力は奪われていく。一部嫌らしい巻きもあってドッと疲れてきた。そしてようやく林道までたどり着いた。林道は板がよく走って助かった。岩間温泉からは片斜面も多く思うように先に進めない。若干無理があったがホワイトロードにショートカットした。あとは車デポまで歩けばゴールです。18時間の大変な長旅でした。まっさん、とんでもない山行に付き合ってくれて本当にありがとうございました。

もっとスキー滑降を楽しめるはずだと思っていたけれど、まともな滑降はありませんでした。何はともあれ、無事に帰還できてよかったというのが感想です。この時期ならではの景色がみれてよかったよかった。

ナナコバ山鞍部からの星空

静かに夜が明けた

森を歩く

スベスベ 奥は釈迦岳

緩斜面を進む ふり返れば素晴らしい景色

いよいよ宮谷の源頭が見えてきた

左が赤兎山、右が大長山

光と陰のマジック

自然が作り出す芸術

宮谷に合流 天然のハーフパイプ

宮谷とまっさん

釈迦岳とシゲジの鞍部から七倉山

大汝峰をズーム

釈迦新道の稜線

丸々としたシゲジ

湯の谷へ

白くてスベスベの湯の谷

大汝峰が見えた

ノドから右又へ

ラッセル!ファイト!!

この高度感にドキドキ

七倉山も美しい

大汝峰の山頂付近は氷の世界。詰めはアイゼン

イェーイ!

ウェーイ!

エビの尻尾が3本、奥にもう1本

剣ヶ峰と御前峰

大汝の奥社にお参り

御前峰

剣ヶ峰

北縦走路

記念写真

大汝峰下の稜線は風の通り道で氷化

御手水鉢は凍っているよ

七倉山へ

七倉山から大汝峰を望む

七倉山から清浄ヶ原を望む

七倉山を見上げる この滑りは緊張した 氷でした

清浄ヶ原のトラバース(ラッセル)開始

加賀禅定道が艶かしい

見上峠を背景に滑る

あれ、小桜避難小屋は??

真ん中にポツリと屋根の一部が見えるだけだった

笈ヶ岳と大笠山を見ながら滑る

重たいながらパウダーを楽しむ

日が傾いてきた 稜線を滑る

岩間温泉の前を通過