ありがとうございました

 馬場島は雨。それは想定内だったので、グローブはテムレス、ザックカバーをつけて歩き出す。暗くて気持ちまで暗くなりそうだったので、ポケットの携帯で音楽を鳴らす。1800m付近から積雪がありラッセルが始まる。宇多田ヒカルのFantomアルバムを3回リピートで、早月小屋に到着です。ちょうど明るくなってきて雪化粧した風景に見入ってしまいます。小窓尾根がなんとも素晴らしい。

 小屋からは一層雪が深くなっていきラッセルは激しさを増した。厳冬期用のグローブをする。急登は四つん這いで這い上がらないと登れない。吹き溜まりは股上の深さ。たまらず灌木帯に突っ込んでモンキーで登るしかない。細かいアップダウンで体力奪われていく。2700付近からアイゼンとピッケル。鎖はほとんどが雪の下に埋まって見えない。帰りを考えて鎖は出しておくのが得策だろう。ピッケルで除雪しながらラッセル。鎖を引っ張る腕。もう足も腕も限界に近いかもしれない。ここで終わりか?と声に出したら身体は動き出した。

 想定した時間より2時間も遅れてようやく山頂。やったー。なんて素晴らしい日だろう。白山も見える。立山も見える。富士山も見える。霊峰万歳!

 単独ラッセルは予想以上に厳しく、山頂の景色を楽しむ余裕はあまりなかった。早く帰ろう。

 よろめいてズボンの裾がアイゼンで破れてボロボロになってしまった。

 三の窓に行くというパーティ2名、山頂でテント泊するパーティ3名の5人と出会った。変なトレースだったらごめんなさいと一応詫びておいた。それでもトレースがあるのとないのとでは行って帰るほど違うだろう。

 明るいうちに帰れた。よかった。

 それにしても自分の甘さを痛感する山行でした。読みの甘さ、驕りもあったかもしれない。それと装備が甘すぎる。

 いい勉強になりました。ありがとうございました。

後立山も美しい

雷鳥君発見!

道のりはまだまだ長い

ここより鎖場の方が神経と体力を使った

この辺からニヤニヤしていた。それまでは半泣き