<コース説明>

 新穂高ロープウェイのゲートをスタートし、白出沢まで林道をMTBでアプローチ。白出沢から歩いて雪がでるまで登山道を進み、ブドウ谷を過ぎた辺りでシール歩行開始。南沢を詰めて南岳へ。

 南岳から中岳への稜線を滑り、天狗原のトップからエントリーし天狗原まで400m滑降。

 そのまま槍沢へトラバースし、シール歩行再開。槍の肩まで550mハイクアップ。槍ヶ岳山荘にスキーとザックをデポし、槍ヶ岳のピークへは空身・坪足でピストン。

 ラストは槍の肩から飛騨沢へエントリー。槍平避難小屋手前を通過し、シール歩行開始地点まで1200mの滑降。

 登山道を歩いて戻り、白出沢からMTBで無事帰還。

<追記:自転車について>

 春スキーとなると、アプローチは自転車が使えますが、最近はマナーや安全上の問題等があり規制されている場合が多いようです。上高地は自転車の規制が厳しくNG。今回の新穂もハイシーズンは自転車規制があるようです。山開きしているかどうかは別にしても、登山マナー・自転車マナーを守って進みましょう。山に来て、お互い嫌な思いをするのはもったいないです。

 地道に歩くのも、バスをつかうのも、自転車を使ってスピード上げるのも、 山の楽しみ方はいろいろです。これはダメ、あれはダメとか、皆がマナーを守れば規制しなくてもいいはず。

 そんな日が来るといいな。

 今シーズンやっておきたかった槍ヶ岳ワンデイに挑戦することにしました。といっても残雪期の話で、来シーズン以降の目標としては、もっと雪が多い時期(厳冬期?)にチャレンジしたい。

 槍ヶ岳のピストンだとイマイチ物足りないので、西面を一本滑りたい。どうしようか考えていました。奥穂直登ルンゼ?いやいや、単独は危険、しかもレベル高いので別の機会に。ということで南岳と槍ヶ岳のダブルを狙うことにしました。

 


<新穂〜南岳>

 新穂無料駐車場(深山荘)に車を停めて、スキーを担いでMTBでスタート。今回はピッケルも装備、それにしてもザック重くて進まない。林道は砂利道で勾配もあり中々キツイ、腰も痛くなってきた。気温は0℃と寒い。それにしても単独で寂しい。それは星が奇麗です。今日は星が見方。林道を進むにつれ雪が増えてきます。白出沢まで50分でした。ここでMTBをデポしました。

 ここからシール歩行できると思っていたのですが、川の水の流れる音が豪快で降りてもダメだろう、歩いた方が早いと判断し登山道を40分歩きました。この辺で夜明け、チビ谷手前からシール歩行できました。デブリもありましたが、問題なく進めました。

 南沢出合で小休止、クトーを装着し谷を詰めます。心配だったノドも無事通過できました。2600mくらいから雪面が氷化してきて、最後の詰めは斜度もあるのでスキーを脱いでアイゼン歩行に切り替えます。しかし、愚かなことにアイゼンを装着中に片方が流されてしまいました。オーマイガー。50mほど下で止まってくれて助かりました。ピッケルと片足アイゼンで回収しに下り、無事回収できました。反省しました。

 斜度が緩んだところで再びシール歩行に切り替えます。南岳のピークに到達。風が強く寒いですが、景色は最高。白山、笠ヶ岳、穂高、富士山も見えました。

右俣谷 谷割れ終点

南沢 下部は激しいデブリ

南沢 ノド

ノド上部から 下は見えない

2600m以上はテカテカ 光が反射してました (大ノマ〜双六方面)

南岳小屋と穂高連峰

南岳ピークから 槍ヶ岳を望む

富士山

笠ヶ岳(手前) 白山(後ろ)

<南岳〜天狗原〜槍沢>

 3000m級の山からの滑降は2回目です。3000mと聞くだけてオッとなります。まずは中岳方面に向って稜線沿いに滑ります。この稜線もリッジまではいかないけれど中々スリルありました。そして、ちょうどコルになっている天狗原のトップへ。ここからエントリーします。東面は朝日が当たっているので、西面とは違って雪質はザラメでした。いかにも面白そうな斜面です。

 ギャラリーはゼロ。いざドロップイン!!一人でHoooh!とか叫んで飛び込みました。

 最初は斜度がキツく、調子に乗ると大変なことになるので慎重に。斜度が落ち着くとそれはもう快適でした。最高です☆天狗池まで滑り込みました。槍ヶ岳が「シャキーーン」とそびえ立っていました。

 そのまま槍沢へトラバースすると、槍沢には大勢の登山客が長蛇の列を作っているではありませんか。今日は槍ヶ岳大賑わいです。

コルから南岳

天狗原

中央のコルからエントリー 微かにシュープルが

天狗池に滑り降りた

稜線を行く人

<槍沢〜槍ヶ岳>

 西面は日が照っていて暑い暑い。3000m付近なると空気も薄くてシール歩行も息苦しい感じがしたが、サクサク登って行きます。いったい何人追い抜いただろうか20人?30人くらいかな。皆さん思い思いに登っているのだが、トレースをなぞるだけのようです。こんな広い斜面、順番着かなくても・・・自分は一人で大きなジグをきって登っているので、異端児の様な目で見られていたような気がしました。

 槍の肩直下では勾配が少し強くなりますが、シール歩行で何の問題も無く登れます。しかし皆さん、ここも先行者と同じ行動を取っていて、スキーヤーまでもスキーを担いでアイゼンを履いて登っていました。私はシール歩行のまま行きます。この雪質ではクトーも要りません。登り易いトレースを付けましたが、誰も使っていなかった・・・スキーの方が早くて楽なのに・・・

 槍の肩到着。大賑わいです。スキーとザックをデポして、アイゼンとピッケルで槍ヶ岳を目指しますが、大混雑で先に進めず参りました。よく見るとさっきと同じで、皆トレースを辿っているだけでした。夏は登りと下りの2コースがあるが、その1つしか使っていないようです。気づくのが遅かった。3点指示さえしっかりしていれば普通に登れるし下れます。(凍っている訳でもなく、×印がある訳でもない)

 ピークを踏んですぐに下山開始。ハシゴも2本あるのに1本に行列、空いている方を使って降りていきます。さらに降りようとすると、下でおじさんが「待っていろ」と叫んでいた。隣ではおばさんが「痙攣しそうだから先に降りさせて」と叫んでいる。すれ違えないから、お互い広いスペースで待機しろということらしい。皆ピリピリしています。早く登りたいし下りたいのは皆同じでしょう。自分たちの力を嘆いてもしょうがない、早く行きたいなら空いているルートを使って進めばいいでしょう。アイゼンを蹴り込み、ピッケルを突き刺して進めば行けました。

飛騨沢

大渋滞
 

大賑わい

槍ヶ岳ピークにて

槍ヶ岳山荘

<槍ヶ岳山荘〜新穂>

 ようやくスキーです。ピークを踏むまでやたら時間がかかってしまいました。

 槍の肩から飛騨沢へエントリーします。最初はカリカリ急斜面でビビってターン&ストップの繰り返しでした。150mほど高度を落とすと、次第にザラメになって来たので、ここから快適に滑れました。左岸川にスノーボーダーが滑ってたので、自分は右岸川に自分のシュプールを刻みました。ここは噂通り滑りが楽しめて最高です☆気持ちよかったです。あっという間でした。

 スノーボーダーは底まで滑って行きましたが、自分は高度を保ち左岸川の斜面をトラバース気味にルートをとりました。いつの間にかスノーボーダーの前に進んでいました。槍平小屋で休憩して、ここからトレースを辿ってボブスレー、シール歩行開始地点まで滑りました。

 最後は登山道をスキーを担いで白出沢へ、MTBで林道を下ればゴール。楽しかったです。

飛騨沢 最高でした☆

まだまだ続く快適斜面

槍平小屋(閉鎖中)

登山道 徒歩で進みました

白出沢

季節はもう春


山は四季を通して楽しめて最高!