<コース説明>

 新穂高左俣林道の路肩スペースに駐車し、MTBで林道を進む。橋を渡り、堰堤管理道を進む。管理道の終点でMTBデポ、堰堤下を徒渉し、雪が繋がるまで徒歩で川を登った(今年は下界の雪解けが早いようです)。1400付近でシールを歩行開始、穴毛大滝、杓子平を経由し稜線にでる。

 大パノラマの稜線は小ピークが連続しますが、滑落が怖いので大胆なトラバースは避け、稜線近くを巻きながら進みます。

 まず笠ヶ岳のピークを踏むべく山荘は通過。100名山笠ヶ岳P2810ピークを踏む。ここは穂高連峰の絶景が見られる。

 そして、ピークから滑降。山荘に立ち寄り、大休止としました。山荘からの景色も素晴らしく、北アルプスを一望できます。

 続いて、稜線を滑り、抜戸岩のコルから六ノ沢へエントリー。デブリも大したことは無く、穴毛大滝の直上部まで快適に滑ることができました。少し登り返して大滝を巻き、あとは穴毛谷を雪が繋がる限りスキーで滑る。残りは徒歩で川を下り、MTBを回収、林道ダウンヒルで無事帰還。

<左俣林道ゲート〜笠ヶ岳>

 今回は天気予報は良くて、寒気と風だけが心配でしたが、装備は万全に整えてあるので、笠ヶ岳は速攻で攻略できるだろうと予測していました。ところが予想に反して、波瀾万丈の山行でした。

 

 2:20左俣のゲートからMTBスタートしました。GPSが調子悪く衛生をとらえることができない。よくあること。地図もコンパスもいつも携行しているし、腕時計で標高も分かるので、ほとんど道には迷うことは無い。しばらく林道を進むと、川を渡る橋があり、そちらへ進みました。堰堤の管理道らしく、堰堤を超えながら進む道なので、雪が出ればシール歩行できるだろうと甘い考えでした。

 ところが、管理堂の終点の堰堤までMTBを進めても雪がでず、堰堤を超えられない。どうしよう。

 GPSがここで使える様になったが、堰堤を超えられないのでは先に進むことが出来ない。対岸にヘッドライトを照射すると、雪が着いている。しかも川も簡単に徒渉できそう。行ける。そう思った矢先でした。

 対岸に何か動物が。ヘッドライトの光に2つの眼がギラギラ光って、こちらを見ているのがわかりました。怖くて仕方ないです。いったい何の動物?目の位置からして、大型でしょう。クマかカモシカか。遠くからでは分からない。動物に襲われて死ぬのは御免です。もう帰りたい。怖い。

 思い切って奇声を上げてみる・・・Hoooh!!ダメだ。ぴくりとも動かない。続いて、ワオ!パオーン!セーーーイ!同じだ。くそ!

 こうなったら、、、「え〜い、だらぁ!!!」と下を巻いて叫んでみた(石川県の方言)。動物は歩き出した。そうなのね。川を上流へ進んだようだ。もうどこか遠くへ言って下さい。そう願いながら徒渉し、徒歩でしばらく歩き出しました。

 雪が出て来たので、そちらへ進むと薮に突入してしまい、失敗。あの動物が進んだ方向が正しいルートのようです。どうしましょう。でも動物はもういなくなったと思い、川まで下りました。案の定、雪が着いており、シール歩行が出来そうです。シール歩行に切り替え、スタートすると、動物が前に。またお前かよ。この警戒心の薄さからして、クマじゃないだろうと思い始め、こちらも大胆に価値構わず歩き出すと、一目散に逃げて行きました。大幅に時間ロスしました。

 

 穴毛谷をどんどん詰めて行きます。次第にガスが濃くなり、濃霧、続いて雪が降り始めました。前が全く見えません。穴毛大滝の音だけが響いていました。大きなクレバスもあり、注意が必要でした。濃霧と降雪という条件から、杓子平へ進んだ方が安全と判断し、六の沢を詰めるのは止めました。穴毛大滝は右から巻いて、杓子平へと足を進めますが、2000mを超えると激しい風と雪、所謂、ブリザードです。ダメです。これ以上は進めません。条件が悪過ぎです。岩と雪の割れ目(シュルント)を見つけ、ここで避難することに。スコップで掘り、ビバーク可能なサイズまで広げ緊急避難しました。激しい降雪と風で入り口が狭まり、雪を掘っては出すの繰り返し。厳冬期の装備を持っていて良かった。

 ちょうど30分停滞していると、風は弱くなり降雪もストップしたので、行けると判断し、行動再開しました。積雪5cmほど。杓子平では素晴らしい景色に感動しました。安堵しました。


 さぁいよいよ稜線間近です。稜線は激しい風が予想されました。この時期予想していなかったラッセルで稜線に登り上げました。予想通り激しい風です。風速30mは超えているでしょう。滅茶苦茶な風です。カメラを出す暇もないです。風が痛いというレベル、時には耐風姿勢で動けないことも。

 クトーを聞かせて慎重に稜線を進み、まずは笠ヶ岳のピークを踏むのが先決だろうと思い、山荘はスルーしました。相変わらずの強風に耐えながら、ようやくピークを踏めました。やりました。

 笠ヶ岳の山頂からの景色は最高、穂高から立山方面まで一望できました。

濃霧で足下しか見えない

クレバス

シュルントに避難

杓子平は 素晴らしい

Peace☆ 生きている

穴毛沢からのトレース

稜線は激しい風

ラッセル

セルフタイマーにて 時分撮り

経験したことの無いレベルの激しい風

抜戸岩から笠ヶ岳へ

穂高連峰

山頂は狭い

歩いて来た稜線と 笠ヶ岳山荘

<笠ヶ岳〜左俣林道ゲート>

 山頂でシールを剥がして滑降準備にかかりますが、風が強くてシールを丸めるのがやっとでした。こんな強風で滑れるのか?と不安はありました。山荘で大休止して風が止むのを待つことにして、山荘まで慎重に滑りました。

 山荘の風下で大休止。今日は「金沢カレー」を作りましょう。といってもレトルトです。JetBoil(Mont-bell)で速攻お湯を沸かして、湯せんでカレーを温めます。ご飯はタッパに持ってきました。さらにキャベツの千切り。これが金沢スタイル(?)です。

 では、いただきます!絶景を眺めながら、熱いカレーを食べる、最高の贅沢だなと思いました。味は最高でした。おいし〜。おまけにコーヒーもドリップして、気持ちはキリマンジャロ。かれこれ50分も休憩している間に、強風はそよ風になり下方のガスも抜け、絶好の日和となりました。ルンゼに行くしか無いじゃろ。


 滑降再開、抜戸岩目がけてトラバース気味に稜線を滑り、六の沢の源頭へ。ん〜これはワンダフル。雪崩の心配も無い。さぁいざドロップイン!Hhooooooh!!!700mの標高差ですが、滑り答えがある面白斜面、デブリも全然大したことはなく、快適に穴毛大滝まで滑り込めました。面白いです!!


 滝は、滑れる可能性はゼロで、登りで使ったトレースまでの10mほどを登り返しました。あとは緩斜面を滑り降りるだけです。雪質は下部は腐ってストップスノーでしたが楽しみながら滑れました。雪が切れたところで徒歩に切り替え、沢を下りました。MTBを回収し、林道をダウンヒルして今日も無事帰還できました。


 夜明けの激しい天気は嘘のようでした。そして今回は厳しい山行でした。

JET BOIL

チャンカレ(中辛) 

立山方面(笠ヶ岳山荘より)

槍・穂高方面(笠ヶ岳山荘より)

笠ヶ岳と山荘

六ノ沢と穂高連邦

六ノ沢 エントリー

楽しい〜

大滝の直上

大滝の真上から

六ノ沢 でした

大滝の下から

大滝の横から

緩斜面

穴毛谷 ゴルジュみたい

ここまで

もっこり