<ルート説明>

 馬場島に車を停めここからスタートします。立山川に沿って林道を徒歩、雪が出てきた地点からシール歩行①開始、立山川を室堂乗越まで詰めて行きます。

 室堂乗越から別山乗越方面へ稜線を歩き、雷鳥沢を詰めて剣御前小舎へ。標高差2,035をハイクアップします。

 ここでシールを剥がして、スキー1本目(ファーストトラック)。剣沢を近藤岩まで滑り降ります。標高差1,170m

 近藤岩からは、再びシール歩行②で、池の平方面へと北股を詰めて行きます。池の平小屋までの標高差460のハイクアップ。

 池の平小屋から、スキー2本目(セカンドトラック)。小黒部谷を大窓出合まで滑り降ります。標高差470m

 大窓出合から、最後のシール歩行③で、大窓までの標高差630をハイクアップします。

 大窓からは白萩川を馬場島目指してスキーで滑降です(サードトラック)。標高差1485を下ります。

(※今回は、1100m以下で谷割れがあり徒渉3回でした。)


 このコースは、合計3000mを超えるハイクアップをする体力、多様な雪質を滑る技術、ルートファインディング能力などが試され大変ですが、壮大なスケールを感じることができるバリエーション山スキーコースでした。最高です。

感謝

室堂乗越 直下にて

おはようございます 劒岳

Yasuhiro先生

立山

室堂ホテル

雷鳥沢キャンプ場のテント群

別山乗越への稜線

立山川源頭より

雷鳥沢を詰める

髭魔人さん

剣御前小舎(営業中)

剣御前小舎にて小休止

長次郎谷を見つめるYasuhiro先生

あっという間 素晴らしい

近藤岩

小休止

北脵を進む・・・

途中激しいデブリあり

池の平

チンネ! イイネ!

池の平小屋は 雪の下(?)

小黒部谷へ

大窓出合から

シール歩行で Dash! Rush!

無事 危険地帯 脱出

振り返れば大窓

谷が割れ始め

やむを得ず徒渉

 今回は、登山届けを提出することから始まりました。行動計画や装備、パーティの山行歴などを詳細に記載しなければなりませんでした。書類は無事、受理され、行動に移すことが出来ました。

 劒岳周回で大窓を経由するコースは、かなりハードと聞いていたので、エネルギーや水分をいつもより多めにパッキングしました。その結果、厳冬期に使っているザック(オスプレイ/コード42)のサイズになってしまいました。このザック、バックルなどが多くて少々面倒ですが、装備は万全に。


 <馬場島〜近藤岩>

 1:00馬場島に集合し徒歩スタート、立山川の橋を渡ってすぐにシール歩行開始できました。ひたすら立山川を詰めます。星も見えていて、今日は天気が期待できそうです。

 途中、デブリ箇所が数カ所ありましたが、スピーディーに突破します。滑り降りて来たらしいスキーのトレースも参考にしながら、進みました.室堂乗越手前で、明るくなってきました。この時間帯、山は最高に美しい瞬間だと私は思います。今日の主役劒岳に挨拶、おはようございます。

 別山出合までの稜線では、大きな荷物を背負った登山客数名とすれ違いました。彼らに比べたら、自分たちのザックは小さく見えます。

 剣御前小舎へは、雷鳥沢をダイレクトに詰めて行きます。気温はこのとき2℃くらいでしたが、雪質はカリカリ、場所に寄っては滑り易い状態だったので、しっかりクトーを効かせて登ります。

 小屋は営業しており沢山の登山客で賑わっていました。凍結のため大便禁止、、、だそうです。

 シールを剥がして、いよいよファーストトラック、劒岳に向って滑って行きます。夢に見たこの景色、もう最高です!!!サイコーーー!と思いきや、あまり上手く滑れず、まだまだ修行が足りないようです。Yasuhiro先生や、髭魔人さんの滑りには、しびれました。

 楽しい滑りは一瞬で、あっという間に近藤岩まで降りてしまいました。楽しかったです☆

<近藤岩〜大窓出合>

 近藤岩手前で小休止、再びシールを貼り直しシール歩行再開します。気温も上がって来て暑いです。

 北脵を詰めて行きますが、途中激しいデブリもありました。ここを抜けるとラッキーなことに、美味しそうな水が流れる沢があり水分補給、ポカリ満タンにできました。美味しい水でした。

 池の平へ登り上げると、八峰やチンネの景色が素晴らしかったです。まさに鎧でした!チンネ、ニードル、カッコイイ!!こんな景色、滅多に見ることできません。一方で、平ノ池や池の平小屋は雪の下で真っ白な大地と化していました。

 小屋は見当たりませんでしたが、ここでシールを剥がしてセカンドトラックです。小黒部谷を大窓出合まで滑り降ります。雪質が締まった雪から腐った雪へ変わり、ここでもなかなか上手く滑れず、悔しかったです。

<大窓出合〜馬場島>

 大窓出合に到着、すぐにシールを貼って歩き出しました。なぜなら気温も上がっていて、落石とか雪崩とか心配です。両岸から小石が転がってくるだけで、ドキッとしてしまいます。早くこの危険地帯を脱出したいという一心でした。Yasuhiro先生「底力を魅せてあげよう」とモチベーションがここに来てますます上がっていました。髭魔人さんと自分で前をガンガン行っているつもりでしたが、後ろから追い抜かれる場面もあったりと、もの凄かったです。

 核心部の巨大雪庇は、経験値アップのため自分が切り開くお役目を仰せ遣いました。気を引き締めていきます、左からジグをきって雪庇に近づきますが最後は垂直ではありませんか。ウィペットの柄で雪庇を切り崩しながら突破できました。やりました大窓!恐怖より見守られている緊張感の方が強かったかも。

 振り返れば後立の峰々が一望できました。一方、白萩川の方向は、まっすぐに谷が伸びていて、異様な景色に思えました。


 ラスト、スキー滑降は、難儀しました。エントリーはなかなか面白い斜面でしたがすぐにデブリ斜面となり、雪の塊の上を悪戦苦闘、どうやって滑るんですか!?と思いましたが、先生、髭魔人さんはスルリスルリとラインを延ばして行くので、真似して着いて行くことでクリアーできました。

 安全地帯まで降りたところで振り返れば、大窓、壁です。小休止して、最後のエネルギー補給です。先生からロースハムを頂きありがとうございました。極上です。

 ここから斜度は緩くなりますが、1100m辺りから谷割れ始め、途中スキーを外したり、徒渉したりと、なんといいますか、笑えてきました。総合格闘技・・・面白かったです。流石に白萩川をスキーで滑ったとレースはありませんでした。

 無事、劒岳を一周して、馬場島に帰還できました。ビックルートおつかれさまでした。感謝です。

ここでスキー終了

 室堂までバスを利用すればこのコースも行けないことはないはずです。それでも、私たちの山スキーのポリシーとしては、自分の足でアプローチしてこそ、価値があると思っています。

 早出・早帰りは安全に帰還する為の鉄則です。弾丸山行(ワンデイ)は、体力と気力がネックになってきます。日頃からトレーニングを積んで、装備を整え、計画を実行に移し、反省点を改善する。このプロセスが最高に面白い、充実していると思います。


 先生のホームページや雑誌などで、よく見ていた剣沢を滑降する写真。超カッコイイ、いつか自分もできるだろうか?と夢見ていました。

 トレーニングを積んで、山スキーの経験値も少しずつ上げて、そして今回その夢が叶って、、、、

 最高に幸せを感じた瞬間でした。感動のあまりちょっと泣きそうになりました。

 Yasuhiro先生、髭魔人さんありがとうございました。

Go! Go! Go!

ファイト一発

白萩川へ GO!

小窓を背に 落ちていく たまらない

自分たちの シュプールを刻む