体力作りと割り切って、百名山の黒部五郎岳に行くことにした。飛越新道からワンデイで黒部五郎というのは体力さえあれば誰でも出来るし面白くないと思った。第一、黒部五郎と言えばカールが見物だろう。この五郎カールを行くルートを取り入れて、五郎の魅力を存分に楽しみながら体力作りに励んだ。

4:25 1450m 飛越新道 登山口(飛越トンネル手前)

5:45 1996m 寺地山

7:00 2661m 北ノ俣岳

8:55 2839m 黒部五郎岳

(稜線ルート)

10:00  2343m 黒部五郎小屋

(五郎のカール)

11:05   2765m 黒部五郎分岐

12:30  2661m 北ノ俣岳

13:30  1996m 寺地山

14:35  1450m 飛越新道 登山口

合計10時間10分 移動距離33km

 富山ICから国道41号線を進み、神岡を目指した。カーナビを頼りに進むが、なんとも怪しい県道484の林道を案内する。仕方なく進むが、一向に着かない。明らかに一般ルートとは違うだろうが、ようやく神岡着いた。しかし、またもやカーナビが奇想天外なナビを始める。古いナビではないのに。。。道無き道を進めってか。困ったときのスマホは圏外。いや〜参った。看板を頼りになんとか登山口にたどり着いた。お陰で1時間ロスしてしまった。アホらしい。

 帰り道に気づいたことだが、最短ルートより、少し遠回りの様に思えるが双六ダムの方からアプローチした方が道もよく、結果的に短時間で行ける。下調べ不足を痛感した。

 予定より1時間遅くスタートということで、既に薄明るい中スタートだった。気温は高くないし、涼しいから、ハイスピードで走れるところは走った。昭文社の地図にも記載がある様に、飛越新道はぬかるみ箇所が多数ある。ショートスパッツで対策をしたのでぬかるみは問題なかったが、朝露の性でだんだん靴の中が冷たくなっていった。寺地山からは稜線歩きになるが、アップダウンが多く、何度も同じ道を歩いているかのような錯覚さえあった。

 北ノ俣岳避難小屋の分岐点からは、しばらくの間は木道があり走り易い(歩き易い)。草原と池が素敵だった。ここはトンボの楽園だ。

 ここまで、登山者とは出会わなかった。とても静かなルートだ。木道で3名追い抜いたが、いずれも避難小屋で一泊していたようだ。

 木道が終わり、その後の北ノ俣岳だけまでの登りは長くてキツイ。雨水の浸食の様な溝があり、ここにうっかり足を踏み落とさない様に注意が必要である。

 草原は高山植物や鳥類が豊富だった。西向き斜面なので日陰で涼しいまま北ノ俣岳まで登れた。

 北ノ俣岳で初めて日差しがギンギン当たった。メチャ暑いことに気づく。しかしいい天気だから文句は言えない。よしとしよう。

 濡れた靴下を絞り、石に叩き付けて脱水完了。ロングコースはちょっとしたストレスも後々に効いてくるから、可能な限りストレスは軽減しなければならない。

 そしてここからは黒部五郎に向ってひた走る。遥か彼方に槍ヶ岳の姿が、五郎も遠いな〜。

 稜線歩きは気持ちがいい。 このコースは穏やかで素晴らしい。

 だんだんと五郎の姿が近づいて来る感じはワクワクする。3つの小ピークを乗り越え、やっと五郎の裾にたどり着ける。毎週の様に高地トレーニングのようなことをやっているのと、荷物もトレランの軽量化したものと相まって最期の詰めの登りも問題なくサクサク登れた。先行のパーティは皆息が上がってスローペースとなっていた。

 出発から4時間30分、五郎のピークに立てた。山頂はやはり賑わっていた。

山ガールに写真を撮ってもらった。薬師岳が背景、後ろに微かに立山、劔岳が見えるのが粋な感じ。

 ここからは稜線ルートで黒部五郎小屋を目指す。危険な箇所は殆どなく、マルやバツの目印ペイントがあるので一般登山者でも難なく通れる。

 振り返れば・・・この五郎カールが見たかった!薬師側はなだらかな山を魅せるが、槍側から荘厳なバットレスを魅せてくれる。すごいぃ〜。

 五郎カールを背に走ってみました。稜線は、高度を下げていくとなだらかになり、走れる様になる。

 稜線から黒部五郎小屋へ降りる道は狭くて、整備がいまいちだった。

 小屋では、水を補給でき、冷たい水がとても美味しかった。ビールがウマそうだったが、純粋な水がいい。うまい水の味を覚えたら、やめられません。水がうまい!!

 そして今度はカールを走ります。これが今日の一大イベントだ。最高な気分だった。

 五郎カールは水が豊富で、至る所で給水できる。

 1時間ランニングを楽しみ、最期はコバイケイソウの群生地を抜ければ再度五郎の分岐点へ合流。

 分岐手前ではバットレスを横から見れ、五郎の裏表の姿を見比べられるいい場所があった。

 そしてここからは試練の帰路である。長い稜線をひたすら戻ることとなる。北ノ俣岳が遠いこと。

最期の登り返しではテンションが高まって、ハイスピードで登り上げた。

 そして神岡新道へ分岐し、ここから次なる試練、さらに長い道のりである。

 往路でも走っていたので、帰路との時間差はあまり稼げなかったが、下りは極力飛ばして走った。気温は上昇し、水分の摂取量も増えてきて、ハイドレーションはまだ余裕があったが、ボトルの水が無くなった。

 北ノ俣避難小屋で水分補給した。ここも冷たい水がじゃぶじゃぶ出ていて、一気飲みした!もう最高。ハイドレーションは効率よく水分補給できるが、一気飲みしたい時もある。そのときはやっぱりボトルが必要だ。ついでに発熱した筋肉も冷やした。タイツを濡らせば潜熱を効率よく冷却してくれる。

 ぬかるみ地帯は、すこし乾いていてよかったが、下りは木の根っこに注意である。つまずいて転ばない様に走った。単独だと話す相手もおらず、なおさら長く感じた。アップダウンの連続に嫌気が差したが、トレーニングだから気力精神力も鍛える意味でくじけない。頑張った。

 10時間の末、ようやくゴールおつかれさまでした!!!いいトレーニングになりました。

 駐車場の様子。あまり混雑はしていないようである。