紅葉を期待して、白山に散歩に出かけよう。今回はトレランではなく、ちょっとまったり歩いてランチでも楽しもうという計画で、加賀禅定から御前峰、帰りは楽々新道で周回することにした。あらかじめ岩間温泉にMTBをデポしておいて、ハライ谷から登山開始。熊が怖いのでホイッスルとスズは必需品だ。1300m付近はニホンザルのハビタットである。お猿さんが朝日を浴びてあくびしてました。

1500m付近はこれから紅葉のピークに向っていくという感じでした。ただ2000mを超えると、既に紅葉は終わっており、葉は散ってしまっているようでした。清浄ヶ原の紅葉も終わっているようで、ちょっと残念でした。

 しばらく木道を歩けば、滝の音が聞こえてくる。

 そう、あの幻の滝とも言われる「百四丈の滝」である。素晴らしい。今日は先行者が2名いたが序盤で抜かした為、展望台を独り占めできた。特等席で滝に見入ってしまう。贅沢なひと時であった。

 この辺りから、気温が一気に下がってきたので、ウェアを着てまた歩き出した。

静かで長い長い稜線、深紅の絨毯の中を歩く。秋を感じます。ちょっと休憩して、カステラと七塚山。

見上げればガスがかかってきた。さっきまで見えていた七塚山ももうガスの中である。

先はまだまだ長い。でも行くしか無いでしょう、御前峰、まってなさい。

 それにしてもガスの中は寒い寒い。昨晩、みぞれまじりの雨が降ったようだ。ハイマツも凍ってる。風は強く流れておりガスはときどき抜ける。青空が見えると、素晴らしい景色なのだが、すぐにガスの中。視界は悪く、黙々と歩いていく。今回は薄手のレインウェアで大丈夫だったが、この先は冬期用のウェアも必要になってくるだろうから、準備しておこうと思った。

 この寒さは、散った花に再び「氷の花」を咲かせて、魅せてくれた。自然美である。御手水鉢も凍り付いています。何を思ったか、みかん載せてみました。・・・。

 気温は0℃前後で寒いというのになぜかウキウキする。みぞれを踏んだ瞬間、雪の感触を彷彿させる。思わずニヤケてしまう。もはや病気だろうか。白山ももう直き白銀世界に変わるのだろうか。

 さっきまでは視界が悪かったのが嘘の様だ。予報通り高気圧に覆われている性だろう、青空が見え始めた。大汝峰までもう少し、まだまだ体力は残っている。一気に御前峰まで行くつもり。

 大汝峰は写真を撮って通過した。御前峰の方に回り込んだとたん、絶景に思わず足がとまった。

 おおぉ。翠が池がこうも奇麗な色だったとは。そして御前峰と剣峰がくっきり。最高です。やっぱり来てよかった。この景色がご褒美である。

 翠が池にちょっと近づいてみる。どうなってこんな色になるんだろうか。泳ぎたいくらいである。

 剣峰と翠が池もなかなかナイスなアングルです。まったり歩いて来たのが功を奏したのか、御前峰の登り返しも大して息もあがらず、スイスイ登れた。トレランではいつも前半で消耗しているということなのか。。。定番の室堂を覗き込むアングル。室堂周辺、別山も色づいています。別山シブイぜ〜。

 御前峰の石碑周辺では登山客でごった返していた。いい風が吹いていて、みな「飛ばされそう」と言っている。もっとスゴイ風あるよな、と思いながら自分も飛ばされそうになる。危ない危ない、調子に乗るなと言い聞かせる。

 順番待ちをして、写真を撮ってもらいました。風でウェアがパンパンになって、メタボみたいに写ってしまいました。

 その後、室堂まで水を汲む為にスーパーダッシュで降りるが、人混みのため足止めを食う。

 トレランとウルトラマラソンのお陰で下りが少し早くなったような気がした。

ガスも抜けて、七塚山、四塚山がくっきり見えて来たので、セルフタイマーで撮ってみた。

帽子?なんかダサイな〜。

ここで予定時間よりロスが1時間ほどあることに気づく。急いで歩くことにする。火の御子峰周辺は紅葉が美しかった。本日、一番奇麗だった紅葉である。

 水をくんだら、速攻で 最終営業日の室堂を発つ。鳥居で2礼2拍手をして、再スタート。

 千蛇が池では、おそらくモニタリング調査だろうか、万年雪と池の境界地点の平面測量が行われていた。同業界に当たるためか、しばらく測量を見学してしまった。

 千蛇が池は手取川の源頭である。この万年雪が全て解けたとき、千匹の蛇が出てくるという言い伝えがあるが・・・まぁ言い伝えは置いておいて、どうだろう、数年後か数十年後には万年雪が無くなってしまうのではないかという懸念は杞憂であって欲しい。

 七塚の辻で楽々新道へ分岐する。ここからは単調な下りが続く。登り返しは少なく、その気になれば下りは相当スピード出せます。ただマイナーなルートで、水場は無く、沸かさないと飲めそうにありせん。岩間道への分岐もある。そちらは水があるらしいがまだ未踏のルートである。

 下りはガンガン飛ばして、小桜平ヒュッテに到着。新しい小屋でとても奇麗です。しかしこの小屋はあまり知られていないようで、今日出会った方々は全員小桜ヒュッテの存在すら知らず。

 ここでお待ちかね、ランチタイムだ。ここはとても静かで気にっている山小屋である。最初からここでランチと決めていた。

 大魔神さんから教えてもらった、JETBOILでお湯を沸かす。オニギリを食べている間にお湯は沸騰する。早い!ついでにコーヒーもドリップしておく。カップヌードル出来上がり〜。うまそ〜。

 静か過ぎて、麺をすする音だけズルズル〜と聞こえる。空腹にはカップ麺さえ美味い。次はカップじゃなくて調理にも挑戦してみたい。山で飲むコーヒーは格別だ。カフェインで気合いも注入。ごちそうさまでした。

 空腹を満たしたところで、後はダッシュで下ります。ここから約1時間で楽々新道の登山道まで降りられた。登山口からは1kmほど舗装道を下る。岩間温泉の露天風呂の上の道を通過するので、怪しまれない様にサッサと通過する必要があります。ゲートにデポしてあったMTBに乗り換えて、ハライ谷の登山口までダウンヒル。およそ10分のダウンヒルだが爽快感は溜まらない。

 当初は散歩のつもりだったが、帰路は時間の遅れでダッシュしてしまった。このルートはお気に入りルートだが健脚向けで、マニアックな部類に入る。大汝で折り返せば余裕があったかと思うが、なんせ帰りは水が無いという点が難点である。

 今日も白山に登れてよかった。おつかれさまでした。